令和元年度からの受験制度の変更
この記事は、原子力・放射線部門を例に令和元年度の受験制度変更前後の難易度を比較して説明します。部門によっては、あてはまらない記載もあることを了承お願いします。
受験制度による試験内容変更と選択科目の統廃合
令和元年度に受験制度が変更されました。択一式の廃止と選択科目の統廃合が大きな変更内容です。選択科目の統廃合は受験者に負担が大きくなりました。
技術士二次試験は、令和元年度に受験制度が変更しました。主な変更点は試験内容と選択科目の統廃合です。
試験内容は、必須科目が択一式から論文形式に変更(以前に戻ったといえる)、選択科目がⅠからⅢに分割されたことです。選択科目は大きな変更はありませんが、必須科目の負担が増えたと言えます。
受験者に最もインパクトが大きかったのは、選択科目の統廃合です。原子力・放射線部門は5科目から3科目に統廃合されました。私が受験した放射線防護は、放射線利用と統一され「放射線防護及び利用」になりました。
必須科目の択一式から論文形式への変更
選択科目の統廃合
変更前後の合格率の推移
受験制度変更前後の合格率を見てみましょう。数値を見れば一目瞭然ですね。
受験制度変更以降に難易度が上がったか変更前後の合格率を見てみます。
合格率 H28 H29 H30 R1 R2 R3 | ||||||
原子力・放射線部門 29.3% 22.7% 21.4% 19.3% 13.6% 14.5% | ||||||
放射線防護 28.6% 22.6% 30.8% 3.4% 7.1% 6.3% | ||||||
全部門 14.6% 13.3% 9.1% 11.6% 11.1% 11.6% |
受験制度変更後の令和元年度から合格率が下がったことがわかります。「放射線防護及び利用」に統廃合後は大きく減少しています。合格人数は令和元年度以降は毎年1名です。受験者は令和元年度まで30名前後、令和2年度は14名、令和3年度は16名でした。
数値だけですが、全部門の合格率は大きな減少はありませんが、原子力・放射線部門、特に放射線防護及び利用は難易度が上がったように見えます。
合格率の推移を見ると受験制度の変更後は、難易度が上がっているように見える。
問題の難易度
合格率の低下は、問題の難易度が上がったこと、選択科目の統廃合により勉強範囲が広がり勉強が追いつかなかったことが考えられます。受験制度の変更前後の問題を確認します。
変更前の問題
受験制度の変更前後の問題を確認してみましょう。どのような変化があったか確認してみます。
私が合格した平成28年度の問題を見てみます。
選択科目Ⅱ、Ⅲの答案用紙2枚の問題(ここでの記載は省略しますので日本技術士会の過去問を参照お願いします)を読むと技術士法第二条(定義)の計画や評価を試す問題です。
他の部門でも計画や評価に該当する問題が多いです。
計画や評価など問題の傾向が過去問と同じ。
変更後の問題
令和元年度の問題を見てみます。合格率は過去最低の3.4%でした。29名受験して合格者は1名でした。
日本技術士会の過去問を読むと「分析せよ」など以前では問われなかった技術士法第二条の分析などが問われています。令和元年度以外では指導の業務の問題もありました。
受験生が経験していない分析や指導が問われていることが合格率が下がった原因と考えられます。勉強範囲が広がったことに加え、過去問が通用しない問題が出題されていることも原因です。
過去問で問われない分析や指導が問われるため、過去問が通用しない。
受験対策
受験制度変更後は、合格が難しくなったことが理解できたと思います。どうやって勉強すれば良いか・・・やっぱり過去問ですね。
受験対策ですが、過去問が通用しないと書きましたが、受験制度の変更前の過去問が通用しないことです。令和元年度から令和3年度の過去問を勉強するのは有効です。3年分ありますので、想定問題のバリエーションも作成できます。
受験制度は変更しましたが、ワードは今までどおり使えます。勉強で積み上げたワードを令和元年度以降の過去問に当てはめて想定問題を作成することが効果的な勉強方法です。想定問題の作成方法は過去記事に書いていますので、そちらを参照お願いします。
令和元年度以降の過去問にワードを当てはめて想定問題を作成する。
まとめ
受験制度変更後でも過去問中心の勉強方法は変わりません。受験制度変更後の過去問で勉強しましょう。
難易度が上がったのは、問われる技術士の定義が変わったためです。勉強方法は今までどおり過去問中心ですが、受験制度変更前の過去問では通用しなくなっています。繰り返しますが、受験制度変更後の過去問を中心に勉強しましょう。
最後まで、読んでいただきありがとうございます。
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