トレモロの回転数について
トレモロの回転数は何も言わなければ高速回転したくなる奏者が多くいます。誰でも高速のトレモロに憧れますからね。
でもトレモロの回転数は落とした方が良いですよ。そのあたりを解説します。
高速トレモロについて
トレモロの粒と粒の間にポジションが取れない。テンポが落ちる。
右手に意識が集中しすぎて曲の精度がさがる。
トレモロを練習すると、回転数を上げたくなります。高速で綺麗に弾きたくなるのは奏者の常というものです。
手首が柔らかくスナップして高回転するトレモロは憧れると当然です。高速トレモロはメリットがないです。メリットがないというか演奏するうえでは難しいです。
その理由を説明します。1点目にトレモロの粒と粒の隙間がなくなり、左手を押さえるタイミングが難しくなります。左手でフレットを押さえるタイミングは、トレモロの粒と粒の間です。多くの奏者は無意識に粒と粒の間にポジションをとっています。高速すぎると隙間がなくタイミングをとってしまうため、テンポが遅くなります。トレモロは速くてもテンポは落ちてしまうことになります。
2点目に右手に意識が集中しすぎることです。回転数をどんどん上げると右手は不安定になります。右手がブリッジ側に寄りすぎてしまいます。そうならないように意識が右手にいってしまい楽譜や左手に意識が回らなくなります。マルチタスクは簡単ではありません。
この2点があり、高速トレモロは見た目以外はデメリットしかありません。
回転数を落としたトレモロ
左手のポジションが取りやすく曲のテンポアップが容易
右手のコントロールがしやすくなりノイズが減り綺麗な音になる。
16部音符と区別がつかないことがある。
回転数を落とすといくつかのメリットがあります。
1点目にトレモロの粒と粒の間に余裕ができて左手のポジションが取りやすくなります。テンポアップが容易になります。高速トレモロのデメリットの反対ですね。
2点目に演奏が綺麗になります。高速トレモロだと他の弦もピッキングしやすいですが、回転数を右手のコントロールが効きやすくノイズが少なくなります。他の弦をピッキングするようなこともなくなります。この結果、綺麗な音になります。
一方でデメリットもあります。
回転数を落とすため、テンポの速い16部音符のピッキングと区別がつかなくなります。ピッキングなのかトレモロなのかわからなくなります。聴いている方はそのように感じます。
このため、曲のテンポなどを考えてある程度は回転数を上げる必要はあります。
回転数を数えられるか?
回転数を統一するマンドリンクラブがあります。音を揃えるには回転数を統一することが良いですね。
自分は回転数は数えていないです。速いか遅いかくらいの感覚で弾いています。マンドリン独奏なので、数える必要があまりないこともあります。リズムはカウントをとっています。
回転数を合わせるマンドリンクラブはあります。実際に数えている奏者もいると思います。どちらも否定はできないので、数えた方が良いと思えば数えましょう。
回転数を数えるとオーケストラではリズムの安定感が増すのは確かです。
回転数を落としてトレモロを弾こう
どのくらいの回転数で弾くか
回転数を落としてトレモロを弾いた方が良いことがわかったと思います。どうやって練習するか説明します。
楽譜の最も小さな音符をピッキングするよりも少し速い程度の回転数で良い。
回転数を落とすメリット、デメリットがわかったと思います。
そもそもどのくらいの回転数で弾けば良いか?・・・明確な答えはありません(いまさらかよ とツッコミがありそうですが)。楽譜によってテンポが違うからです。
ポイントは、楽譜を見て最も小さな音符を確認しましょう。独奏曲なら32部音符が最も小さな音符なケースが多いです。最も小さな音符よりも少し回転数を上げるくらいが理想的な回転数です。
ピッキングとトレモロが明確に区分できます。明確に区分できれば回転数の増減は奏者の判断です。
注意したいのは、32部音符以上は、意図的に遅く弾くことがよくあります。そうすると16部音符が最も小さな音符になりますので、そのことは注意しましょう。
練習してみよう
ピッキングからトレモロの中間音が出せること。
右手だけの練習が重要
回転数を落とす練習は、右手だけの基礎練習です。動画を確認いただければ幸いです。
遅すぎないか?と思えるくらいで弾くとちょうど良い回転数です。回転数を落とすには、ゆっくりからトレモロを始めると良いです。
回転数を落とした状態は、ピッキングからトレモロの中間です。この中間をコントロールできるようにしましょう。今回は説明を省略します。動画で確認いただければ幸いです。
中間音を自由自在に出せると回転数を楽に落とすことがきます。できないと高速トレモロしかできないです。基礎ができていないと回転数を落とすことができないと言えます。
まとめ
回転数を落とすと綺麗に弾ける。
最も小さな音よりも少し速い程度の回転数で弾く。
右手だけの基礎練習で習得する。
最後まで、読んでいただきありがとうございます。
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