「美しき我が子や何処」による主題と変奏曲はどんな曲
今回は、マンドリン独奏曲「美しき我が子や何処」による主題と変奏曲です。有名な曲ではないですけど。美しいメロディがとても素敵ですよ。
難易度の高い中野二郎作品
中野二郎作品は、多くのマンドリン独奏曲がありますね。「美しき我が子や何処」による主題と変奏曲は難しいためか、演奏する奏者が少ないです。とても綺麗なメロディなんですけどね。
綺麗なメロディと言っても伝わらないので、YouTubeで聴いてみましょう。
イントロのメロディは特に美しいメロディで気に入っています。しかし、長い曲ですね。テンポアップしても8分くらいはかかります。
美しき我が子や何処の背景
スコットランドの釣鐘草
この曲の背景はいまいちわかりませんが、「スコットランドの釣鐘草」というスコットランド民謡ではないかと思います。
スコットランドの釣鐘草は「ハイランドの若者は何処に?」とタイトルがあり、日本では明治14年頃に「美しき」というタイトルで紹介されています。ここまでくるとスコットランドの釣鐘草が作曲の基になっていて間違いなさそうです。
スコットランドの釣鐘草の背景は戦争に徴兵された恋人を思い、帰りを健気に待つ女性の心境を描いた民謡のようです。
釣鐘草(つりがねそう)はスコットランドの国花です。Wikipediaではフウリンソウ(英語)とあります。見た目から風鈴のようです。
美しい曲だから弾きたくなる・・・だけど演奏する奏者は少ない
聴いてもらえると綺麗なメロディだとわかりますね。釣鐘草のイメージですね。
ポジションを取れないことが難易度を上げている
弾きたくなるマンドリン独奏曲ですけど、演奏する奏者は少ないと思います。自分も生では聴いたことありません。なぜか?
難しいからですね。ストレッチが必要なほどメロディと伴奏が離れている小節もありますので、ポジションが取れないことがあります。私の師匠は押さえられないため、弾くことを諦めました。
そんな「美しき我が子や何処」を弾こうとしています。
選曲の経緯
次回の演奏会で選曲した経緯を説明します。コロナで演奏会が延期していますけど、練習して極めたいですよ。
中野作品を聴いて一目惚れ
遡ると2017年頃でした。2018年に何を演奏しようかと考えていると、中野作品を聴きました。聴いた曲は、「旅愁による変奏曲」、「祈り」、「美しき我が子や何処」でした。
どの曲も素晴らしいと思って、順番に弾くことに決めました。2018年が「旅愁による変奏曲」、2019年が「祈り」でした。2020年は「美しき我が子や何処へ」だな。 ということで選曲しました。
2020年に演奏することに決めたのは、難しいからです。楽譜は見ていませんでしたが、難しそうだなとわかりました。
もう一つは楽譜が手に入らなかったためです、中野作品は楽譜集がありますが、収められていませんでした。今すぐに選曲というわけにはいかなかったという背景がありました。
2019年に楽譜は海外の楽譜集に収められていることがわかり手に入りました。
怪我で練習できない
2019年の演奏会が終わってから2020年の演奏会に向けて練習しましたが、怪我をしてしまいアンドリンが演奏できない事態に!
2020年の演奏会が4月下旬に決まり練習していましたが、2020年3月に転倒してしまい左腕を脱臼骨折し手術しました・・・2020年の演奏会は諦めるか・・・
左腕にプレートを入れて術後も演奏できませんでした。
4月中旬から演奏ができるようになり、本番に向けて追い込むぞ!! と思ったらコロナで演奏会が中止と連絡がありました。残念といえばそうだけど、ある意味助かったな・・・と残念と助かったが入り乱れました。
この記事が公開される時点までコロナの影響で演奏会ができない状況です。でも練習はしっかり続けています。沼にハマっていますが・・・
練習方法
どうやって練習しているのか説明します。
大作で難易度が高いので、考えて練習しないと弾けない曲です。
曲の構成から弾き方を考える
イントロ、主題、変奏で構成
王道的な弾き方で良い。
タイトルのとおりですが、主題パートと変奏パートがあります。全体構成は、イントロ、主題、変奏です。変奏はパート5まであります。
王道的な弾き方は、主題を示して変奏で主題を展開していきます。メロディが美しい曲なので、王道的な弾き方で聴き手にアピールした方が良いです。
長い曲ですが、凝って弾く必要はないです。
主題はあっさりと弾く
楽譜の指示事項を守って弾く。
主題は、あっさりと弾きます。主題は2つのフレーズで構成されています。このフレーズは変奏で展開されています。
主題に余計な表現をつけると、どの主題が変奏されたのかわからなくなります。このため、主題は丁寧に弾きます。丁寧に弾くとは楽譜の指示事項をきっちりと守ることです。
楽譜のとおりに弾けば良いということです。
変奏は工夫して弾く
変奏は似たものどおしでペアを作る。
やっかいなのが変奏です。主題のどこかのメロディを抜き取って、変奏されています。中野先生の作曲能力の高さに驚かされます。
変奏を確認するとバリエーション1と5がピッキングで、バリエーション2と4が対になっています。ちなみに3は浮いた感じです。
バリエーション2と4は同じような弾き方になります。湿っぽい演奏になりますが、美しいメロディを際立たせるように演奏します。伴奏の音を一つ一つ響かせてメロディのスラーを守り音量を抑えるとメロディが際立ちます。
バリエーション1は切れないように弾きます。左手をポジションから離さないようにして弾くとメロディが浮かび上がってきます。このことに気がつくと上達しますよ。
難関はアルペジオ
アルペジオは腕のストロークで弾くと均等に弾ける。
バリエーション5のアルペジオは難関です。
アルペジオは均等に弾かなければいけません。たいていの奏者は均等に弾けないと思います。奏者自身は均等に弾いているつもりですが・・・
録音しても「これで良いのか?」と疑問に思うだけで「まぁ、良いか」になります。疑問に思ったら間違いなく均等に弾けていません。
アルペジオは、ベースをダウンで響かせて、次の音符以降は右手のストロークで振り下ろすと均等に弾けます。
単音は、手首のスナップを効かせて弾きますが。アルペジオは腕のストロークで弾きます。この違いに気が付く必要があります。
わかりにくいですね・・・アルペジオは別に記事にします。ここだけでは全てを書けないです。
まとめ
美しい曲だけど難しい。
主題と変奏曲で構成されている。
主題はあっさりと弾いて、変奏は工夫して弾く。
アルペジオから均等に弾くこと。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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