マンドリン独奏の魅力を引き出す演奏スキルといえば滑走アルペジオです。聴き手を唸らせることができますので、積極的に練習しています。
滑走アルペジオはどんな演奏スキルなのか?
技術士
滑走アルペジオってなんで滑走なの?滑らかに弾くアルペジオのためです。滑らかに弾くとメロディが浮かびあがります。それが滑走アルペジオの魅力です。
- 滑走アルペジオは和音を分解して弾くスキルです。ジャラーンと鳴らせば和音、ゆっくりしたテンポで弾くとアルペジオ、高速で弾くと滑走アルペジオです。
- 楽譜を見ただけではアルペジオと滑走アルペジオは同じように見えます。速いテンポで指定されていれば滑走アルペジオです。
- マンドリン独奏の楽譜には滑走アルペジオの出現頻度が高いです。一方、合奏だとアルペジオばかりです。
- 滑走アルペジオは合奏で合わせることが困難なためです。一音ずれただけでもわかりやすいアルペジオなのに滑走アルペジオで合奏するのは困難です。
- 一音ずつ弾くアルペジオですが、高速で弾きます。YouTubeに滑走アルペジオをアップしていますので、ご視聴いただければ幸いです。
- ただ、速く弾けば滑走アルペジオの出来上がり・・・というわけではないのが難しいところです。
- マンドリン独奏の演奏スキルの中でも難しいのが滑走アルペジオです。
- なぜ難しいのか?
- 和音を分解し、トップの音がメロディ、構成音がリズムである。
- そのまま弾くとアルペジオと同じ、トップの音を聴かせるようにして弾く必要がある。
- トップの音をメロディとして聴かせることが難しいです。
どうやって弾くのか滑走アルペジオを?
技術士
滑走アルペジオは弾き方とリズムを理解することです。弦に負ける弾き方、均等なリズムの構成が理解できると弾けます。
- 滑走アルペジオは単純に弾くと思っている人が多いです。
- 違うんです。リズム命でメロディを聴かせることが難しいです。
- ベース音からトップの間の構成音は滑らかに弾く。
- ベース音は響くように残す。
- 構成音は大人しく、トップの音は大きめに。
- 書いてみると3点が重要ですが、構成音を滑らかに弾くことが難しい・・・滑らかに弾くとピックが寝てしまい音が潰れてしまうためです。
- ピックは立てて弾くと音の粒がたちます。
- 滑走アルペジオでピックが寝てしまうのはピックの握りです。
- 強く握ると弦からの反発力が強くなり弾けなくなります。弾けないため、ピックを寝かせて反発力を和らげようと自然にしてしまいます。
- 柔らかく弾くには・・・ピックの握りです。軽くつまむだけにします。
- 軽くつまみんで滑走アルペジオを弾くと、粒が立ちます。
- ピックが弦に当たると、ピックが弦に負けて斜めになる。
- 斜めの角度で弦を通過する。
- 通過後はピックが垂直に戻る。
- ピックの角度が垂直→斜め→垂直 この場合、垂直で弦に入るため、音の粒が立ちます。
- 斜めに入り、斜めで通過すると音がつながり粒が立ちません。このことを覚えると滑らかに弾けます。
- それとリズムですね。
- 均等なリズムのイメージですが・・・
- 一音が長い。
- 二音、三音目と行くと短く感じる。
- トップの音を弾いたらすぐに折り返す。
- 均等はわかりにくいです。
- 誰もが思う均等のイメージで弾くと必ず均等に弾けません。
- 均等に弾くには、わざと一音目(上の楽譜だとベース音)を少し長めに弾いて、二音目以降はあっさりと弾くとイメージが湧いてきます。
- 音を聞くと、均等か不均等かわかってきます。
- わからない場合は、人からアドバイスを得た方が早いです。自分も先生から指導を受けて均等に弾くコツがわかってきました(それでも不均等に弾いてしまうこともあります。それほど難しいということです)。
- 滑走アルペジオはアレンジの妙です。
- ベース音は和音のルート音が普通ですが、3度もあります。5度がくることもあります。トップの音をメロディとするには和音のポジションを変えないと成立しないためです。コード進行も意識します。コード進行自体は特殊なものではありません。一般的なコード進行にメロディを成立するために構成音の位置を変えるアレンジは見事です。
- 対位法と和声楽を勉強すると滑走アルペジオの構成がわかってきます。少しでも対位法や和声楽を勉強すると演奏に役立ちます。長くなりそうなのでこの辺で終わります。
最後まで、読んでいただきありがとうございます。
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