マンドリンを弾くことに音楽理論は関係ない!! と思う奏者は多いと思います。ちょっとだけ知っておくと演奏に役立つ知識はあります。対位法がまさにそれです。少しだけ対位法をかじってみましょう。
- マンドリンは音程が一定である。押さえ方がある程度決まってしまう。
- 3度と6度の押さえ方を基本に4度や5度の運指に移行するパターンがある程度決まる。
- 対位法の入門書を読めば演奏に活用できる。
マンドリンの弾き方は音程と関係ある
技術士
マンドリンの弦の配置は一定の音程です。知っておくと演奏に役立ちますよ。
- マンドリンの特徴に音程が一定ということがあります。
- 4弦の開放からG、D、A、Eです。このことから・・・
- 5度の音程で一定
- どの上下のフレットでも5度の音程である。
- フレットが5度の音程であることを知っておくと弾きやすさにつながります。5度の音程は写真で言えば、上段の白玉のレとソの関係です。
- 5度の音程は、押さえにくいです。重音なら薬指で上の音、中指で下の音を押さえることが多いです。
- 5度から4度の音程に下がると下の音は薬指でとり、上の音は中指で押さえるパターンが多いです。音程が5度で一定のため、押さえ方がある程度決まってしまいます。マンドリンが弾きやすいと言われるのは、音程も関係あります。
対位法のルールを知っておくと演奏に活用できる
技術士
対位法のルールを知っておくと弾き方に応用できます。3度と6度の運指を基本にしましょう。
- 対位法は和声楽よりもマイナーな印象ですけど、演奏することに関しては役にたちます。上の写真を見てみましょう。対位法にそっていることがわかります。
- 最も美しいハーモニーは、3度と6度である。上段の左から6度、6度、3度、4度、5度の音程である。
- 対位法はメロディの3度又は6度下に伴奏を配置します。ワンパターンを避けるため、1度、4度、5度、8度下に音が配置されます。
- 3度の間に5度を挟み6度に、6度から4度、3度へと進行するパターンはよくあります。対位法にそった作曲です。
- 2度、7度は不安定のため、避けるのが基本です。ただし、3度や6度に移行する過程で配置することはあります。マンドリンの弾き方に考えると・・・
- 3度や6度の重音が出やすい。3度と6度の押さえ方のパターンを確認しておく。
- なめらかな進行を考えれば3度から4度や5度に移行しやすい。運指パターンがある程度決まってくる。
- 見た瞬間に運指がとれる奏者は対位法を勉強しています。何度も繰り返して運指を向上することよりも予想して運指をとっています。短時間で弾けるようになりますね。
- 対位法が練習時間の短縮になることがわかります。
対位法の要点を知っておく
技術士
対位法を本格的に学ぶには分厚い専門書や学校に通う必要がありますが基礎知識を知っておけば演奏に役立ちます。入門書を読んで演奏に活用しましょう。
- 対位法の要点だけ知っておくと楽譜の分析に役立ちます。自分も要点だけ知っています。
- 要点は以下のとおりです。
- 基本は3度と6度
- 3度と6度以外の音程に進む際はメロディと伴奏を反行させることが基本(例:3度→5度→6度→4度)
- メロディと伴奏は同じ音にならない(1度)。演奏というより編曲で役立つ知識
- メロディが動くと伴奏は落ち着く。逆に伴奏が動くとメロディは落ち着く。こちらも編曲で役立つ知識
- マンドリン独奏の場合、3rdや主音(ルート)が使われやすいことも知っておきましょう(和声楽ですが)。コード感をだすにはコードの性格である3rdや主音が使うためです。
- 専門書までは不要ですが、対位法の入門書を読んでおくと演奏に役立つ知識が得られます。
- 書いたことは、この本から学んだことです。途中まで読んでも演奏に役立ちます。「ただ弾く」から「ロジックをもって弾く」に変わります。
- マンドリンは4本の弦しかないため、重音やコードでは使われる音の優先順位があります。主音や3rdの優先順位が高く、5thは省略することもあります。
- 美しく響かせるため、3度や6度の音程が優先的に使われます。こういったことを知っておけば演奏、作曲、編曲に応用できます。対位法の基礎を学びましょう。
- 和声楽も役立ちますが、コードを知っておくだけでは演奏では、それほど役に立ちません。コード進行はルールがありますので、楽譜の進行を予測することに役立ちそうですが、実際はルールどおりの進行は少ないです。
- 飽きないように工夫して作曲、編曲するとルールから外れてしまうためです。マンドリン独奏の場合は対位法の方がルールを守られている印象があります。
- 学ぶことに損はありません。これだけは言えます。
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