マンドリンは5度音程が押さえにくい

スポンサーリンク
マンドリンレッスン

マンドリンは5度音程の重音が頻度高く出現します。5度音程は弾きにくい特徴があります。テヌートで弾ける押さえ方を説明します。

スポンサーリンク

マンドリンは5度音程の出現頻度が高い

 マンドリンは5度音程のフレーズが出現します。なぜでしょうか?・・・マンドリン独奏曲はですが編曲によります。その理由を以下に示す。

和声楽の観点から言える事

技術士
技術士

マンドリンは5度音程が弾きにくい。無伴奏のマンドリン独奏曲にはけっこう5度音程の伴奏があります。これには和声楽から説明ができますよ。

 和声楽で考えるとコードで重要な音に3rdの音があります。Cメジャーならミの音が3rdの該当します。3rdの音はコードの性格を判断するうえで重要な音です。3rdの音が聞き取れればコードの判断ができます。

 重要な音であれば使うことになります。この3rdをどのメロディで使うか?伴奏で使うか?メロディに使うと伴奏のコードはルートと5thが中心です。伴奏をコードで編曲するとルートと5thの重音の出現頻度が高くなります。

3rd音はコードの性格を判断する重要な音

伴奏をルートと5th、メロディに3rdを編曲することはよくある。

 3rdを重要な音として奏者に認知させるには、メロディに割り当てる方がわかりやすいです。誰でもメロディは大切に演奏しますので、3rdが強調されやすくなります。この場合、メロディの3rd音はコードを判断する重要な音ですので、テヌート気味に弾くとコード感がでてきます。伴奏に5度音程、メロディに3rd音を採用している楽譜を以下に示します。1小節目にレがルート、ラが5thの5度音程、上にミのメロディです。

5度音程の伴奏はメロディをテヌートで弾く。

対位法の観点から言える事

技術士
技術士

和声の次は対位法です。対位法の観点から考えるとどうでしょうか。

 対位法の観点からみると5度音程はどうなんでしょうか?

 マンドリンの曲は和声と対位法により作曲、編曲しています。対位法から考えると6度音程を採用したくなります。3度音程と6度音程は最も美しく響きます。対位法の本を読むと必ず書かれています。上の楽譜をみると1小節目のメロディのファと伴奏のラの音が6度の音程です。この曲は「美しき我が子や何処」というマンドリン独奏曲ですが、曲の美しさは6度や3度の音程を積極的に取り入れているためです。

6度や3度の音程を曲に取り入れると美しく聴こえる。

 良かったら聴いてみてください。6度、5度、3度の音程の伴奏がメロディを支えており、美しい曲に仕上がっている中野二郎作品です。

 ただし、全ての伴奏を6度や3度で組み立てていません。6度から3度に進む場合、中間に5度の音程を挟むことがよくあります。このように編曲することで聴きやすくなります。

 対位法の観点からは、6度や3度のコードを中心にしながら5度の音程を混ぜています。曲のバランスを考えるうえで5度の役割は重要と言えます。

5度の音程の前後に6度や3度の音程がある。滑らかなコード進行になり聴きやすくなる。

5度の重音の弾き方

技術士
技術士

5度の重音は押さえ方が難しいです。押さえ方のコツを掴みましょう。

 マンドリン奏者の立場から言わせると5度の音程は厄介なものです。マンドリンは5度間隔でチューンングします。重音で弾くと音が隣りに存在するので、押さえにくい特徴があります。押さえにくいとは音が切れやすいということです。

 マンドリンは、音が切れやすい楽器なため、いかにしてレガートで弾くかがポイントです。5度の音程は天敵ですね。そんな天敵の5度の重音ですが、ポジションの取り方は2つあります。

 5度の重音をレガートで弾くにはバレーで重音を押さえる。二つの指で押さえる方法の2種類あります。コードならバレーで押さえることが多くなります。重音なら伴奏の進行にもよりますが、原則は二つの指で押さえます。2と3、1と2の指の組み合わせで押さえます。

二つの指で押さえるようにする。

 「美しき我が子や何処」を例にとり5度の重音進行を音が切れないように弾いた動画をYouTubeにアップしましたので、ご視聴いただければ幸いです。

 重音を滑らかに繋げるには、指を第一関節で曲げてポジションを押さえることです。バレーだと押さえる力が弱くなり、ポジションから離れやすくなり音が切れます。指を立てることで適度な力でポジションを押さえやすくなります。単音の進行と同じくらいの力で押さえるようにすると複雑な重音の進行でも弾きやすくなりテヌートで弾けます。

 押さえるだけでなく、次のポジションへの移動も考える必要があります。次のポジションへスムーズに移動できるように押さえやすいポジションをとりましょう。

指を第一関節で曲げて的確にポジションをとる。

 5度の押さえ方は難しい演奏技術ですが、マンドリンを弾く上で重要ですので十分に練習しましょう。

コメント